オンライン予約・問診票
新潟市東区中山7丁目11番11号 025-282-5586

ブログ

Category:

当院では学童期の近視進行抑制治療を行っております。

近視とは、遠くを見るときにピントが網膜より前に結んでしまい像がぼやける状態です。子供の近視進行は眼球が楕円形に伸びてしまうこと(眼軸長が伸びる)が主な原因です。一度眼軸が伸びてしまうと元に戻ることはありません。高度の近視になると、黄斑変性症、緑内障、網膜剥離などの疾患のリスクが高くなる可能性があります。眼軸長の伸びを抑えることが近視の進行を抑制するためには重要です。

普通の眼鏡では眼軸の延長を抑えることはできません。

近視進行抑制治療法には、次の3種類の方法を行っています。

  1. 低濃度アトロピン点眼治療
  2. オルソケラトロジー
  3. 多焦点ソフトコンタクトレンズ

1、アトロピン0.01%/0.025%点眼治療(自由診療)

低濃度アトロピン点眼の効果・特徴

低濃度アトロピン0.01%/0.025%点眼液は、近視の進行を遅らせる(眼軸長の伸展を抑制する)という点で統計的にも臨床的にも有意義な効果が確認されている治療法の一つです。

□重篤な副作用の報告はありません。※

この薬の本来の作用により瞳孔(黒目)が大きくなりまぶしく感じますが、数時間で元に戻りますのでご心配ありません。

□近視の進行を平均約60%軽減させる良好な点眼液と言われています。※

近視の進行が完全に止まる訳ではありませんが、少なくとも2年間治療を継続すると何もしない方に比べて近視の進行を軽減できる可能性があります。

低濃度アトロピン点眼液は、最適な超低濃度(0.01%または0.025%)を点眼することにより、近視の進行を効果的に抑制すると同時にアトロピン1%点眼液のような不快な副作用を回避します。オルソケラトロジーと併用するとより効果的と報告されています。

近視の矯正効果はありませんので、視力が回復するわけではありません。

低濃度アトロピン0.01%/0.025%点眼の安全性

シンガポール国立眼科センター(SNEC)の研究によると、アトロピン0.01%の効果は点眼を2年間継続した後のものです。※

  1. アレルギー性結膜炎および皮膚炎の報告はありませんでした。
  2. 眼圧に影響を与えないとの報告でした。
  3. 白内障を形成するとの報告はありませんでした。
  4. 点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔が開き続けるとの報告はありませんでした。
  5. 電気生理学上、網膜の機能に影響を与えるとの報告はありませんでした。

6、本製品はGMP(医薬品製造管理及び品質管理基準)準拠の工場で製造されています。

※ 

治療方法

低濃度アトロピン点眼(0.01%アトロピン点眼液または0.025%アトロピン点眼液)

点眼方法:両眼に1日1回寝る前に点眼(1か月に1本使い切り)

このようなお子様にお勧めです

軽度または中等度の近視の方

6歳から12歳の学童期

1~3か月に1回定期的に受診し、検査、診察を受けて頂きます。

費用

この治療は自由診療です(保険診療と同日の処方はできません。後日処方となります)。

検査料 1,650円(税込)

薬剤費  0.025%マイオピン 1本3,190円(税込)

目薬は開封して1か月したら破棄して頂きます(感染症などのリスクをさけるため残量があっても破棄してください)。

2、オルソケラトロジー(自由診療)

オルソケラトロジーは特殊な酸素透過性ハードコンタクトレンズを就寝時に装用することで角膜上皮の形状を変化させ、良好な裸眼視力が得られ、日中は裸眼で過ごせる屈折矯正治療です。このオルソケラトロジーは近視進行の抑制効果が確立しています。

(オルソケラトロジー治療はオルソケラトロジーのページを参照ください)

オルソケラトロジーは世界的にメタ解析研究で、優位に眼軸長の伸展を抑制し、重篤な合併症が生じないと報告されています。約40~60%で近視の進行を抑制すると言われ、近視進行抑制で最も効果があると言われていますが、適応は―4Dまでの軽度の近視に限られます。小児が使用する場合には、しっかりとした親の管理が必要です。

(参考文献)

Orthokeratology for myopia control: a meta-analysis. Jun-Kang Si1Kai TangHong-Sheng BiDa-Dong GuoJun-Guo GuoXing-Rong Wang Optom Vis Sci. 2015 Mar;92(3):252-7.

Orthokeratology to control myopia progression: a meta-analysis.

Sun Y, Xu F, Zhang T, Liu M, Wang D, Chen Y, Liu Q.PLoS One. 2015 Apr 9;10(4):e0124535. doi: 10.1371/journal.pone.0124535. eCollection 2015.

Efficacy, Safety and Acceptability of Orthokeratology on Slowing Axial Elongation in Myopic Children by Meta-Analysis.

Li SM, Kang MT, Wu SS, Liu LR, Li H, Chen Z, Wang N.Curr Eye Res. 2016 May;41(5):600-8. doi: 10.3109/02713683.2015.1050743. Epub 2015 Aug 3.

3、多焦点ソフトコンタクトレンズ(保険診療)

多焦点ソフトコンタクトレンズは、一般的には老視(老眼)矯正用のコンタクトレンズですが、様々な多焦点ソフトコンタクトレンズが近視進行抑制の効果があると報告されてきています。近視進行抑制効果は約20~40%ほどで、まだ近視進行抑制効果として確立してはいませんが、オルソケラトロジーの適応のない強めの近視の方などにはお勧めです。

保険診療で行えるのもメリットです。

当院では、低加入(+0.5D加入)や高加入(+2.5D加入)多焦点ソフトコンタクトレンやEDOF(焦点深度拡張型)ソフトコンタクトレンズなど様々なコンタクトレンズの装用を試すことができますので、ご興味がある方はご相談ください。

(参考文献)

Effect of low-addition soft contact lenses with decentered optical design on myopia progression in children: a pilot study.

Fujikado T, Ninomiya S, Kobayashi T, Suzaki A, Nakada M, Nishida K.Clin Ophthalmol. 2014 Sep 23;8:1947-56. doi: 10.2147/OPTH.S66884. eCollection 2014

Effect of High Add Power, Medium Add Power, or Single-Vision Contact Lenses on Myopia Progression in Children: The BLINK Randomized Clinical Trial.

Walline JJ, et al. JAMA. 2020. PMID: 32780139 Clinical Trial

Myopia control with novel central and peripheral plus contact lenses and extended depth of focus contact lenses: 2 year results from a randomised clinical trial.

Sankaridurg P, Bakaraju RC, Naduvilath T, Chen X, Weng R, Tilia D, Xu P, Li W, Conrad F, Smith EL 3rd, Ehrmann K.Ophthalmic Physiol Opt. 2019 Jul;39(4):294-307. doi: 10.1111/opo.12621. Epub 2019 Jun 10.

Category:

マイボーム腺機能不全とは?

まぶたの裏側にはマイボーム腺という涙の脂分を分泌する器官があります。上下のまぶたに20~30個ほどあります。細菌感染や炎症などのために、このマイボーム腺の出口が詰まったりすると、目の表面の涙のバランスが崩れ、目がごろごろしたり、涙が多く出たり、目の乾燥感を感じたりと、様々な目の不快な症状を生じます。これをマイボーム腺機能不全と言います。

マイボーム腺機能不全に対する治療はなかなか有効な治療がありませんでした。ご家庭のケアとして温罨法と眼瞼清拭をして頂くぐらいか、細菌性の眼瞼炎を合併している場合は抗生剤の点眼や軟膏、内服治療を行っていました。

Intense Pulsed Light(IPL)治療とは?

ルミナス社のM22という機器を用いて施術を行います。

IPLという特殊光をまぶたに照射することで、マイボーム腺周囲の血管や組織に作用して、マイボーム腺を活性化します。IPLは次の効果が期待できます。

  1. 炎症を抑える効果
  2. マイボーム腺のつまりを溶かす効果
  3. デモデックス(顔ダニ)を減少させる効果
  4. 肌のコラーゲンを再生する効果

IPLは元々、皮膚のシミやニキビ跡に使用されている安全な光治療機器です。厚生労働省より薬事認証を受けています。

治療方法

IPLのハンドピースで、こめかみから鼻までの下まぶたにIPLを照射します。

所要時間は3分ほどです。目を保護して行います。
3~4週あけて4回以上行うと効果があると報告されています。

本治療は自由診療です。

費用

1回 8,000円(税別) 4回セット 30,000円(税別)
(セット途中での返金は致しかねます。)

Category:

Implantable Contact Lens (ICL) 眼内コンタクトレンズ治療は レンズを目の中に入れて視力を矯正します。 眼内コンタクトレンズ治療は、角膜を削らない視力矯正法で、あざやかな見え方でドライアイや夜間のハロー・グレアの出現が少なく、長期安定性に優れた結果が期待されます。

  • シャープであざやかな見え方が期待されます
  • ドライアイの原因になりにくい
  • 良好な夜間の見え方が期待されます
  • 薄い角膜の方にも対応
  • 生体適合性の高い素材のレンズを目の中に入れます
  • 入院不要の治療で、翌日には快適な視力回復が期待されます
  • 近視や乱視の強い方にも対応

眼内コンタクトレンズ治療ってどんな治療法?

眼内コンタクトレンズ治療は、レンズを目の中に入れて視力を矯正する治療法です。
インプランタブルコンタクトレンズを略してICL治療と呼んだり、フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ)治療と呼ばれることもあります。
レンズは黒目(虹彩)の後ろ側と水晶体の前面の間に固定しますので外から見てもわかりません。

目にやさしい

生体適合性の高い素材 目の中に入れるレンズは、ソフトコンタクトレンズのような柔らかい無色透明の素材です。 有害な紫外線をカットする機能もあります。 半永久的に使用可能です。

ずっとお手入れ不要 取り出すことも可能

目の中のレンズは、くもったり汚れたりしないので、日々のお手入れやメンテナンスは不要です。
目の中でゴロつきを感じることもありません。治療後に必要が生じた場合はレンズを取り出して元の状態に戻すことが出来ます。

日帰り治療 回復も早い

眼内コンタクトレンズ治療の治療は、レンズを専用の器具で目の中に入れます。
麻酔は目薬だけですから痛くありません。
また傷口が約3ミリと小さいので回復が早く日帰りで可能です。縫合や抜糸の必要もありません。

角膜を削らない大きな光学系

¥眼内コンタクトレンズ治療なら、角膜を削らないので角膜の形がほとんど変化しません。
また光学系が大きく確保できるため、夜間に問題となるハロー・グレアの抑制による、優れた見え方が期待されます。

将来の目の病気の治療に影響を与えません

眼内コンタクトレンズ治療のレンズは、取り外して元の状態の戻すことができるので、将来白内障などの目の病気になった際に、治療の選択肢が狭まるようなことがありません。

治療は誰でも受けられますか?

適応年齢は21歳~原則45歳で、 他の目の病気(緑内障や白内障など)や全身疾患のない近視や乱視の方が対象になります。
強度の近視や角膜の薄い場合も対象になります。
目の形状や状態、他の疾患をお持ちの場合は治療を受けられない場合があります。
詳しくは医師の検査を受けて下さい。

眼内コンタクトレンズ治療の歴史

1978年から開発が始まり、現在の眼内コンタクトレンズ治療は1997年に欧州、 2005年に米国で承認され治療がスタートしています。 国内では2003年から治験が始まり2010年に承認され一般に治療が始まりました。
2014年にレンズがHole ICLというレンズの中心部に小さな穴が開いたものに改良され、眼の中の循環を妨げない構造になり、白内障や緑内障の合併症はほぼなくなりました。当院もHole ICL(穴あきICL)を採用しています。

手術後の主な症状について

見え方について

視力の変動・・・術後1週間ほどは、炎症などで視力が変動することがあります。
ハロー・グレア・光の輪・・・
夜間や暗い中で光を見た時に、眩しさを感じる場合があります。通常は徐々に気にならなくなりますがこの症状が残る場合はご相談下さい。
一般的な症状(帰宅~翌日)
異物感、充血、かすみ・・傷口が治癒し、炎症が治まることで、時間とともに自然に改善します。
手術後の注意事項
一過性の眼圧上昇 手術後に眼圧を下げる治療を行う場合があります。
角膜内皮細胞減少 手術後3~4年の経過時で約4~9%の減少と報告があります。
手術後の感染のリスクは約0.01%と少ないですが、感染を起こさないように手術後一定の期間、日常生活の以下のような項目について制限があります。
○ 洗髪・洗顔 ○ シャワー・入浴 ○ 化粧・アイメイク ○ 飲酒・たばこ ○ 運転 ○ 運動 ○ プール

Q&A

Q. 治療を受ける制限はありますか?
A. 目の形や病気、全身疾患などによって治療の対象とならない場合があります。事前に詳しい検査を行い、目の形、状態、生活習慣などを総合的に検討して治療が可能かを専門の医師が診断を致します。また正確な検査のためにコンタクトレンズ(特にハードレンズ)は一定の期間装用を中止していただく必要があります。妊娠中、授乳中は視力が不安定になることがあり近視矯正手術はできません。

Q. 手術は痛いですか?
A. 目薬タイプの点眼麻酔をしますので痛みはほとんどありません。

Q. 眼内コンタクトレンズを入れていることは他人に気が付かれますか?
A. 虹彩の後ろに挿入するので、外からは見えません。

Q. 「ハロー」・ 「グレア」とはなんですか?
A. 暗いところで明るいライトなどを見た時に光の周りににじんだ輪が見える現象をハロー(光輪症)といい、ギラギラと光ってとても眩しい症状をグレアといいます。症状の度合いや期間には個人差がありますが、治療後数ヶ月で自然と気にならなくなることが一般的です。

Q. 費用は公的医療保険の対象ですか?
A. 公的医療保険の対象ではありません。ご自身で加入している民間保険の給付については、「有水晶体眼内レンズ挿入術」が対象かどうか、加入保険会社へお問い合わせ下さい。

Q. 老眼も治りますか?
A. 40歳頃から加齢に伴う調節力の衰えにより「手元が見にくい」と言った老眼の症状が出始めます。
老眼は遠近のピントを合わせる能力が衰える症状です。
眼内コンタクトレンズ治療は近視や乱視など屈折の矯正を行いますが、老眼の治療ではありません。
老眼により手元が見にくい場合は近用眼鏡(老眼鏡)等を適宜使用して下さい。

ICLの費用

ICLは自由診療です。
両眼で 乱視矯正なし 700,000円(片眼350,000円)(税込)
両眼で 乱視矯正あり 740,000円(片眼370,000円)(税込)
術前検査、手術費用、術後1年間の検査、診察、薬剤費を含みます。
※ICLは確定申告時の医療費控除の対象です。申告の際に手術費用の領収書が必要になりますので大切に保管下さい。
※ ICLが受けられる眼かどうかの適応検査 7,400円(税込み)。

当院の保障:手術後の度数が合わなかったり、ICLのサイズが合わなかった場合などでレンズの交換が必要になった場合や、合併症でレンズを摘出しなければならなくなった場合、手術後1年以内の再手術費用は無料。

手術までの流れ

最初に手術が受けられる状態か適応検査を行います。
手術可能な方は術前検査を予定します。コンタクトレンズを使用している方は、術前検査の精度を上げるため、術前検査の前、ハードコンタクトレンズは3週間、乱視用ソフトコンタクトレンズは2週間、普通のソフトコンタクトレンズは1週間以上中止して頂きます。
適切なレンズのサイズと度数を決めるため、術前検査は2回に分けて検査を行います。
当院では、カシア2前眼部OCTなどの機器を使用しております。
2回検査終了後に、ICLのレンズを発注し、このときに申込金として片眼160,000円(両眼で320,000円)をお支払い頂きます。残金を手術翌日にお支払い頂きます。
レンズは注文生産なので、レンズ発注後に患者さんのご都合でキャンセルされた場合には返金できませんのでご注意ください。

治療の流れ

視力検査
視力検査、角膜内皮細胞測定、カシア2で前房深度測定、OCTなど
術前検査①
調節麻痺薬(サイプレジン)を使用して視力検査、レッド・グリーンテスト、前房深度測定、眼軸長測定、角膜厚測定、角膜径測定、採血検査など
術前検査②
視力検査、前房深度測定、散瞳薬を使用し眼底検査など。申込金お支払い。
手術
手術翌日に残金のお支払い。
経過観察

Category:

寝ている間に特殊な形状をしたレンズを装用する事で、角膜の形状が正しく矯正され、朝レンズをはずしてもその角膜形状が維持されている間は、裸眼で過ごすことができるという、新しい視力矯正法です。

オルソケラトロジーとは、一般的なコンタクトレンズとは異なり、寝ている間に特殊な形状をしたレンズを装用する事で、角膜の形状が正しく矯正され、朝レンズをはずしてもその角膜形状が維持されている間は、裸眼で過ごすことができるという、新しい視力矯正法です。 いままでのコンタクトレンズとは逆の使い方で、夜寝る時にレンズを装用し、朝起きて外すだけで角膜の形状が変化し視力が回復します。回復した視力は一定期間維持され、日中は裸眼で過ごせるようになります。近視矯正法として、現在世界的に注目を浴びています。

オルソケラトロジーのメリット

●メガネやコンタクトレンズが煩わしい方へ
職業上メガネの使用が難しかったり、「時間がたつとゴロゴロする」「夕方になると充血しがち」等、コンタクトレンズの不快感から解放されたい方へ。
●裸眼でスポーツを楽しみたい方へ
野球・サッカー等のスポーツや、水泳・サーフィン・スキューバーダイビング等の水中のスポーツをされる方へ、裸眼で安全にスポーツを楽しめます。
●外科的手術等に抵抗がある方へ
「レーシックなどの手術がこわい」「術後の感染症などが不安」という方へ。オルソケラトロジーなら、レンズの装用を中止すれば角膜は元の状態に戻りますので安心です。
●近視の進行が気になる方
オルソケラトロジーを継続すると、近視の進行が抑制されるという研究報告があります。特に仮性近視の方や、角膜が柔らかい若年層の方に効果があります。
●取り扱いは簡単
レンズの取り扱いは一般のハードコンタクトレンズと同様です。 また、夜間装用なので、日中装用のようにホコリやゴミなどが目に入ることもなく 目への負担やレンズを破損・紛失するリスクも少なくなります。

オルソケラトロジーのデメリット

●従来の昼間装用ハードコンタクトレンズと同じ合併症が起こる可能性があります。
●視力が安定するまで見え方が変動することがあります。
●夜間にまぶしかったり、にじんで見えたりする可能性があります。(ハロー・グレア)

オルソケラトロジーの安全性

オルソケラトロジーは、アメリカで1980年頃から研究・施術され、現在、アメリカ・ヨーロッパ・アジアを中心に、世界各国でその安全性と効果が認められ、実施されています。
レーシック等の外科的手術と異なり、レンズの装用を中止すれば、角膜の形状は元に戻りますので、安心してお使いいただけます。
また、日中装用のコンタクトレンズとくらべても、夜間の装用なので、ほこり等が目に入ったりせず、レンズを紛失する心配も減るなど、安全・快適にお使いいただくことができ、リスクは一般のコンタクトレンズと同等またはそれ以下となります。

オルソケラトロジーの危険性(合併症)

角膜感染症

オルソケラトロジー治療で使用するコンタクトレンズは、いわゆる酸素透過性のハードコンタクトレンズです。
コンタクトレンズの洗浄を十分に行われていない場合や、レンズケースの清潔が保たれていない場合、角膜感染症を起こすことがあります。
なかでも、緑膿菌やアカントアメーバーによる感染では、治療に抵抗することが多く、また視力低下や重篤な場合失明にもつながることがあります。
充血や異物感、痛みは危険信号です、症状が出た場合はレンズの装用は中止して、早急に診察を受けてください。 この角膜感染症は通常のハードコンタクトレンズでも起こり、オルソケラトロジーのレンズに特有のものではありません。
しかし、オルソケラトロジーのレンズは通常のレンズとはその形状が異なるため、洗浄が不十分になりやすいです。コンタクトをはずすのは、朝の忙しい時間ではありますが、きちんと洗浄する習慣をつけてください。
レンズケースはコンタクトをはめた際に流水で洗浄し、就寝中は乾燥させるようにしてください。
さらに、3ヶ月ごとにケースを新しいものに交換してください。

角膜内皮障害

角膜の裏面には、角膜内皮細胞という細胞があります。この細胞は一度障害を受けると脱落して、再生しないため、減少します。オルソケラトロジー治療の短期成績では、この角膜内皮細胞の減少は認められていません。しかし、通常のハードコンタクトレンズの長期装用で、角膜内皮細胞が減少することが報告されていますので、注意が必要です。

治療の流れ

初診・カウンセリングのご予約 オルソケラトロジーの初診は、ご予約が必要となります。

初診(カウンセリング・検査・診察)
カウンセリング オルソケラトロジーを正しく理解していただくために、眼の構造から矯正方法までを、簡単にご説明いたします。 また、オルソケラトロジーに関するご質問にお答えいたします。

適応検査
一般的な眼科検査と角膜形状解析検査を行います。

診察
検査後、眼科専門医による診察となります。診察時に疾患が発見された場合は、治療し、完治したところで再検査を行います。この診察時に、オルソケラトロジーの適応を判断いたします。 オルソケラトロジーの適応と判断された場合は、診察を行いフィッティングの確認と効果の度合いによって、トライアルレンズを決定します。

カウンセリング(診察後)
検査データをもとに、具体的な矯正法と注意事項等に関するご説明をいたします 不明な点や不安な事項をすべて取り除けるように、些細なことでもご質問ください。

テスト装用(1週間)
オルソケラトロジーを理解し、希望される患者さんにはトライアルレンズを1週間テスト装用して頂きます。

治療開始
1週間お試しして問題なければ、トライアルレンズを返却して頂き、新しいレンズを注文します。ケアの仕方などを再度説明いたします。

定期検診
定期検診は1週間後・2週間後・1ヵ月後・3ヵ月後となり、以降3ヵ月ごとにあります。 角膜の状態を知り、また、合併症の早期発見のためにも非常に重要ですので、必ず受診してください。見え方が急に変化したり、何か異常を感じたりした場合は、決められた検査日以外でも受診してください。

治療にかかる費用

当院で使用するオルソケラトロジー用レンズは、厚生労働省に認可されております。
したがって、患者様の眼に挿入することは国で認められています。
しかし、健康保険では取り扱いがされておりませんので、このレンズを使用しての治療に関しては、自費での請求となります。
適応検査 3,000円(税込)
治療開始時のコンタクトレンズ初回治療費は171,600円(税込)(片眼85,800円)です。

これには、1週間のテスト装用治療前に預り金50,000円/2枚(税込)をお支払い頂き、 1週間のテスト装用後、継続される場合は初回治療費から適応検査とテスト装用治療預り金を差し引いた残額(両眼の場合121,600円、片眼の場合60,800円)をお支払いいただきます。
継続されない場合、コンタクトレンズを返却していただき、預り金残額50,000円/2枚(税込)はご返金いたします。
破損や紛失の場合は治療再開費用として片眼38,500円/1枚(税込)が別途必要となります。
※ケア用品、別途ご購入いただきます。 1年目からは、定期検査費用として、1回3,000円(税込)※片眼のみの場合も同額 レンズ更新(医師の判断で必要時):1枚 38,500円/1枚(税込) オルソケラトロジー治療を受けるかどうかはあくまでも任意です。あなたの意志で決めてください。ただし、いったん治療を受けることへ同意され、コンタクトレンズを注文してからの撤回(中止)については、いかなる理由であっても費用をお返しすることは出来ません。
治療中に眼球の状態によっては、医師の診断によりコンタクトレンズの装用を中止し、点眼等の薬剤投与が必要な場合があります。
オルソケラトロジー治療が原因であるものは自費で、そうでないものは保険での診療費が別途必要になります。
10万円を越した費用は補助が得られます。医療費控除の対象になりますので、詳しくはこちらの国税庁による回答ページをご覧下さい。
オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除

Q&A

Q. レンズの扱いは難しくないですか?
A. 多少注意を要しますが、基本的な扱いは通常のハードコンタクトレンズと変わりません。

Q. オルソケラトロジー治療はどんな人に向いていますか?
A. スポーツをされている方、コンタクトレンズや眼鏡の装用が煩わしい方、職務上、または、資格取得のために裸眼視力が必要な方に適しています。

Q.レンズの寿命はどれくらいですか?
A. レンズの寿命は通常の高酸素透過性ハードコンタクトレンズと同じくらいです。2~3年程度で交換が必要になります。定期検診をきちんと受け、医師やスタッフにレンズの状態を確認してもらい適切に使用するようにしてください。

Q.レンズの保証はありますか?
A. 装用開始日から6ヶ月以内であれば左右ともに1回のみ無償で処方交換ができます。 装用開始日から12ヶ月以内であれば左右ともに1回のみ無償で破損交換ができます。 ※交換の際は必ずレンズの破片が2/3以上あることが条件になります。 また、紛失保証はありませんので、レンズの取扱いには十分ご注意ください。

Q.いろいろなケア用品があるけど、どれを使っても良いですか?
A. オルソケラトロジーのレンズは特殊なレンズですので、ケア用品は指定のものをご利用ください。詳しくは医師やスタッフにお問い合わせください。

Q.寝ている時にレンズを着けても大丈夫ですか?
A. 角膜にとって酸素は必要不可欠です。
角膜に充分な酸素が供給されなくなると、角膜を透明に保つはたらきを持つ角膜内皮細胞が傷つき減少していきます。
減少すると、角膜は透明性を維持できず、次第に白く濁り、最悪の場合、視力障害を起こしてしまいます。
オルソケラトロジーで使用するレンズは、ほとんどが厚生労働省に承認されたレンズで、安全性の高い高酸素透過性のレンズ素材で作られており、装用したまま眠ることが認められています。
また、角膜内皮細胞の状態を確認するためにも、定期的に眼科を受診することを心がけましょう。