斜視・弱視
保険一般診療
斜視は、左右の目が違う方向を向いている状態です。まっすぐ見ていない方の目が向いている方向によって、内斜視、外斜視、上下斜視などに分類され、さらに左右の目がそれぞれ正常の動きをする共同性斜視、そうではない非共同性斜視に分類されます。また、ときどき斜視になるものと間欠性斜視、つねに斜視になるものを恒常性斜視といいます。
斜視の原因
斜視の原因としては、屈折異常、目を動かす筋肉(外眼筋)の異常、神経系の異常、目の疾患などがあります。
斜視の治療
屈折異常で起こる調節性内斜視は、アトロピン点眼やサイプレジン点眼を使用した調節麻痺下屈折検査による完全矯正眼鏡装用で改善します。
他の原因で起こる斜視に対しては、原因疾患の治療が可能であれば行い、それでも残った斜視に対して手術治療を行います。
子供の斜視では、斜視の目の視力の発達や両方の目でみる能力も大切になりますので、適切な時期に治療を行います。斜視の手術が必要な場合には、手術のできる病院に紹介させていただきます。
弱視
弱視とは視力の発達が障害されて、眼鏡装用などの屈折矯正を行っても視力検査で1.0以上にならない病態です。しかし、多くは早期発見、早期治療で治療可能です。
弱視の症状
症状は、物をすごく近づけて見る、目を細める、斜視がでる、目が揺れるなどですが、
子供自身が見えにくさを訴えることは少ないので、3歳児健診での視力検査などで発見されます。
原因別に、遠視、近視、乱視が強い屈折異常弱視、右眼と左眼の屈折異常に大きな差がある不同視弱視、まぶたの形や角膜、水晶体などに異常のある形態覚遮断弱視、斜視があり、うまく両眼を使えない斜視弱視などに分類されます。
弱視の検査と治療
アトロピンやサイプレジンの点眼をして屈折の検査を行い、適切な眼鏡を装用し、経過をみます。
視力の左右差がある場合には、視力の良い方の目を隠す遮閉訓練(健眼遮閉)を行う場合もあります。
遮閉訓練にはアイパッチか、アトロピン点眼を用いて行います。
形態覚遮断弱視では、できるだけ原因となる疾患の治療を行い(例えば片目の先天白内障などに対する手術など)、その後の屈折異常に対して眼鏡装用や、健眼遮閉を行います。
9歳未満の小児の斜視、弱視に用いる眼鏡には保険が適用されており、世帯状況に応じて、
眼鏡料金の7~8割が還付されます。
5歳未満は1年に1度、9歳未満は2年に1度申請ができますので、適切な時期に眼鏡の更新を提案します。