白内障と日帰り白内障手術
保険一般診療
白内障は、眼の中のレンズの役目をしている水晶体が混濁して、見えにくくなる病気です。
白内障手術は、水晶体の混濁を超音波の機械を使って除去し、「眼内レンズ」という人工のレンズを移植する手術です。
点眼麻酔程度の局所麻酔でほとんど痛みは無く、白内障の程度で多少時間は変わりますが、手術は約15分で終わります。
超音波の機械を挿入する傷口は約2.4㎜程度の細さで、術後の乱視の増加がしにくいのが特徴です。
また、クリーンルームの手術室で手術を行いますので清潔で安心です。
当院では、センチュリオンという超音波機械を採用しています。超音波のハンドピースはアクティブセントリーを使用しています。
アクティブセントリーは、灌流圧センサーを内蔵したハンドピースであり、患者様の眼圧をリアルタイムに感知することが可能です。患者様により安全・低侵襲な手術の提供が可能となることが期待されます。現在、白内障手術器械で患者様の目標眼圧を設定できる唯一の器械であり、後嚢破損などの合併症のリスクを低減しています。
また、白内障手術イメージガイドシステムの『べリオン』を使用して検査・手術を行います。
術後の見え方に大きく影響するのは、手術が安全に終わるのはもちろんですが、眼内レンズの種類、眼内レンズの度数、乱視の程度です。 眼内レンズの決定には、患者さんの趣味、仕事、ライフスタイル、希望などをお聞きし、最適の眼内レンズを提案します。
〈眼内レンズの種類については「多焦点眼内レンズ」を参照〉
手術前後のスケジュール
手術日決定
視力検査、眼圧検査、眼底検査などを行い、手術日を決定します。
また、患者様に、今までの眼鏡やコンタクトレンズの使い方や、趣味、お仕事、ドライアイ症状の有無などの簡単なアンケートに回答していただき、眼内レンズの選択の参考にします。
手術日の1~2週間前ごろ
手術前の検査として、黒目(角膜)のカーブの長さや、黒目の細胞の数や形の検査、光学的眼軸長(眼の直径)検査、カシアⅡやOPD scanⅢなどの角膜形状解析検査、コントラスト感度検査などの検査を行います。
その後、眼内レンズの種類や度数を計算します。手術内容をご説明させていただき、患者様と眼内に挿入するレンズの度数を決定します。
手術日
火曜午後2時から手術です。その日のうちに帰宅。次の日まで眼帯はして頂きます。
術翌日
眼帯を外して、視力検査、眼圧検査などを行い、診察します。
術後3日目
診察、検査
その後約1週間後、2週間後、1か月後、2か月後と診察があります。
手術にかかる費用
3割負担の方(片眼)約4~5万円
1割負担の方(片眼)約1~2万円
選定療養
選定療養の多眼内レンズを選択された場合は上の保険診療分に加えて、片眼15~34万円の費用がかかります。
多焦点眼内レンズの費用
当院は多焦点眼内レンズの白内障手術を行う選定療養実施医療機関として届け出を行っております。
多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は、選定療養に認められています。
選定療養とは、保険診療と保険の適用範囲外の診療を合わせることを認められた制度です。
通常の白内障手術の費用(保険適用)とは別に多焦点眼内レンズ分の費用として片眼13万円~34万円をお支払い頂きます(保険適用外)。
多焦点眼内レンズには、2焦点レンズ、3焦点レンズ、焦点深度拡張型(EDOFレンズ)、など色々あり、種類によって費用も様々です。
保険適用内のレンズで、上下に遠近を分けた分節型レンズもあります。
当院では様々な種類の多焦点眼内レンズを扱っております。詳しくはお問い合わせください。
費用はおおよそです。使用する薬剤などで多少変動します。
日帰りですので、ご面倒な入院と、入院にかかる費用がかかりません。
白内障手術説明会
当院では、白内障手術を受ける方、手術を考えている方、手術はまだ考えていないが詳しく知りたい方など、どなたでも当院の手術説明の動画を、診療時間にいつでもご覧いただけます。
白内障手術の説明をご希望の方は、お電話025-282-5586にてお気軽にご予約ください。
=白内障その他=
後発白内障
白内障手術の時に眼内レンズを入れるために残した水晶体の袋の膜が混濁してくる状態です。白内障手術後、数年後に生じます。
YAGレーザーを使用した治療機器で治療できますので、白内障手術後にまた見えづらくなった場合にはこの病気の可能性があります。
レーザー治療は点眼麻酔で5分程で終わります。
眼内レンズ強膜内固定術
一般的な白内障手術では水晶体嚢(水晶体の袋)を温存して、その中に眼内レンズを挿入します。しかし、目の構造が弱い方などで水晶体嚢を温存できない場合や、白内障手術後に眼内レンズが脱臼した場合などで、この眼内レンズ強膜内固定術を行うことがあります。
手術時間は局所麻酔で30~60分程。日帰りで行えます。